小田嶋隆

人生の諸問題:日経ビジネスオンライン

 

  • 男社会は所詮サル山。平静を装っていても心の中では序列を気にして男同士仲良くなることができない。女の友情は嘘だしママ友やどこでもすぐ仲良くなるのは欺瞞だなんだ言っていてもそれすらできない男、同じ出身学歴収入の中で先輩後輩の序列を決めて付き合うことしかできない男の方がよっぽど嘘。組織・社会を手っ取り早く良くするには女性を突っ込むのがいいのはそのとおり。
  • 出世するやつは無能か、無能なふりをしたやつか、つまり無難なやつ。正解不明のレースを勝ち抜く辛さ。無意味さ。
  • 本田圭佑を外そうとしたハリルホジッチと、強烈なメッセージを出したオシムから見る日本の広告界の力
  • 組織の中にいての60代の迎え方とパパ社長会と。

 

  • 権威とか権力のあるところから「これがルールです」と言われると、つい飲んでしまう、ということがありますが、でもルールってしょせんは、誰かにとって都合のいい決め事に過ぎない。そのルールがおかしいと思った時、じゃあ、こっちは別の土俵を作ってやろう、ということは、なかなか発想できません。岡さん、小田嶋さんは、そこで自分の土俵とルールを作っちゃうんですよね。
  • ルールというのは王権天授説じゃないですけど、天授、天から与えられたもので、そのルールの中に我々はすでにあまねくいるんだよ、というような感覚があるけど、でもそうじゃない、ちょっとはみ出した人たちだとか、あるいは異民族がごそごそいるような国の中でルールとは何かというと、ルールって要するに合意のことだろう、みたいな感じがあるわけですよ。
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  • それで岡さんは夜に1人、自分に向けられた悪口を思い出しているということですが。岡 そうなんです。僕は自分ながらに相当女々しいと思うけど、悪く言われていることを忘れられないんですよね、何年たっていても。きっとそれは、あながち的外れな悪口ではないからなんだろうけど。
  • もうちょっと具体的に、何を言われたんですか。

    岡 いや、そんなことは言いたくないですよっ。とてもじゃないけどね、そんなことを言えているぐらいなら、僕はもうそのことを乗り越えていると思うんだよ。

    小田嶋 確かにそうだ。

    岡 誰にも言えないから苦しいわけじゃないか。

    小田嶋 でも、きっと今この場で岡が吐露しても、ほかの人にとっては、そんなに大したことじゃないんだよね。

    岡 そうそう、要は何を言われたか、ではなくて、僕が傷ついている、ということだからさ。そういう・・・・・・女々しさの反対ってなんでしょうかね。男らしさですかね。雄々しさですかね。

    小田嶋 言葉では「竹を割ったような」というやつでしょう。それとは逆に「もちをついたような」とか言うよね。

    岡 そう言うのか。

  • 岡 そうですね。だって、自分の中で抑圧しているわけですよね、その気持ちを。でも、もうひとつ、スポーツには「よき敗者たれ」というものがあって、これだけは確かにすごくいいなと思うんだけど。よき敗者になることは、スポーツ以外ではなかなか学べないことでもあるんですよ。

    「よき敗者」を教えるものとは
    小田嶋 勝者は当たり前でいいものだけど、敗者になったときに立派でいられるかという。

  • 小田嶋 異民族がすぐそばにいたり、しょっちゅう異教徒がやってきたり、という経験をしている人たちは、やっぱり言葉だったり、論理だったり、立場だったり、駆け引きだったりでやっていかなきゃいけないんだけど、我々は何となく、気持ちで察してよ、みたいなところをやっているから。

    岡 そうだよね。そもそも対立が表面化しないから、対立して敗れることのトレーニング機会も少ないんだよ。

    小田嶋 一度表面化しちゃうと修復が難しかったり、勝ち負けがついちゃうと付き合いにくくなっちゃったり。だから、お互い順位を付けないでやっていきましょうよ、みたいな、くそ甘ったれた関係が好きだったりするでしょう。

    岡 ひところ、幼稚園とか小学校で徒競走の順番を付けない、というようなことをやっている、と話題になったでしょう。あれをやると、よき敗者のなり方を学べないですよね。すごくよくないと思う。